聖霊降臨の主日(C年)
*ヨハネ 14・15―16、23b−26
*使徒言行録 2・1−11
*ローマ 8・8−17

あなたが あなただっていうこと
            それがとりえ

 最近、25年ぐらい前にサマースクールに参加した子から手紙をもらいました。
結婚して男児が生まれ、2ヶ月になっています。
その子(Sちゃん)が当時私に
「神父さん、私のとりえってなんだとおもう?」と聞いたことは覚えています。

Sちゃんは「Aちゃんは勉強できるし、Bちゃんは運動得意だし、Cちゃんはピアノが上手いし…。自分には何もないんだ、でも何だと思う?」
と問いました。
私は何と応えればいいかと思い、「Sちゃんのとりえは、SちゃんがSちゃんだっていうことだよ」と答えました。
Sちゃんは「そんな当たり前じゃー」と言って、走って行きました。

 彼女は、今、子どもが生まれて、「Sちゃんのとりえは、SちゃんがSちゃんだっていうことだよ」ということがわかりました。
生後2ヶ月の子で、オムツが濡れれば泣き、お腹が空いては泣き、何もできないけど、この子がこの子であることを体験しています。
あの時の神父さんの言ったことはこれだったのですね。


神はそのままのあなたを、私を 呼んでくださった

 私たちが教会に来て、ここにいるのは、私たちに何かとりえがあるからとか、よい人だからとか、社会的地位があるからとか、資格があるからとか、そんなのではありません。
もし、そういうことであれば、私自身ここにいないでしょう。弱さも欠点もありますから。
自分も含め、ここにいる一人ひとり、欠点も弱さも背負っています。
その一人ひとりを、神は「あなたが あなただから愛しているよ。来なさい。」と呼んでくださいました。
だから、私たちはここにいます。


聖霊は一つにしてくださる

 今日は聖霊降臨の祝日、教会の誕生日です。
使徒たち一人ひとりのの上に聖霊がとどまり、“霊”が語らせるままに、いろいろな国々の言葉で話しだしたように、教会は、呼ばれた一人ひとりのカラーで生きていいのです。
皆同じでなくていいのです。でも、聖霊は一つにしてくださるのです。
『皆ちがって、皆いい』そうです、皆ちがっていても、それでも聖霊の力によって一つになろう、皆で歩んで行こうというのが、イエスの望まれた教会ではないでしょうか。

皆さんと心を合わせ、喜んでお祝いします。

教会の誕生  おめでとうございます

(文責 Y.T.)