・復活節第6主日(C年)
*ヨハネ 14・23―29
*使徒言行録 15・1−2, 22−29
*黙示録 21・10−14、 22−23

教会は不思議なことが起こる場?!

那珂教会での不思議

茨城県の那珂教会は信徒数の少ない小さい教会です。

20年ぐらい前に、その教会で黙想会をする時、信徒の希望で長崎教区のK神父様をお願いしたことがあります。
信徒がK神父様をといったとき、私はとても無理だろう、来ていただけないだろうという思いでした。

K神父様は当時、浦上教会の主任司祭でした。
だから、K神父様への謝礼もあまり準備できないし、こんなに小さな教会には来ていただけないだろうと思いながら、神父様にお願いの電話をしました。

ところが、快く引き受けてくださり、よい黙想会ができました。
そのミサ後、香部屋で
「神父さん、那珂教会はいい教会だけど、ステンドグラスを入れると、祈りの場として、もっとよくなりますよ。」
と言われました。しかし那珂教会にはそれ程の力はありません。

後日、K神父様から手紙と共に、謝礼よりずっと多額のお金が送られてきて、
「これをステンドグラスのために使ってください。」
と書かれていました。
K神父様からのプレゼントと教会の皆で頑張って資金をつくり、那珂教会にはステンドグラスが入りました。


新庄教会の不思議

 先日、K神父様の金祝に行きました。
ミサ後、K神父様から渡された封筒を開けてみると、新庄教会のためにと、多額のお金が入っていました。
こんなこと、一般社会では考えられないことです。社会常識では起こりえないことが、教会には起こりうるのですね。

 新庄教会は、いつもは日本人が2名、30〜40名の農村花嫁といわれたフィリピン人がミサに来ています。
教会の建物がないため、ここ30〜40年間は集会所や店等の一室を借りてミサをしています。
「自分たちの教会がほしい」
という強い希望を持って、コツコツと貯金し、3年前に400万円になりました。でも、それでは全く足りません。

 菊地司教様が新庄を訪問して、是非ここに教会をつくりたいと願われました。
そして、2009年の年頭司牧書簡にその思いを書かれました。
私も新庄教会建設に積極的に関わることになりました。
教区内に手紙と振込用紙を送付すると、献金・献品が寄せられました。教区外の方も新庄教会のためにとずいぶん寄付して下さいます。

 たった2年間で、400万円から3000万円に建設資金が貯まりました。
建設場所も、信徒から良い情報を知らされ、とうとう舟形町に決まり、契約することになりました。


神の思いと皆の心が一致した時に…

 新庄教会のできごとは、その根っこには何と言っても、新庄教会の信徒の「教会がほしい」という強い希望があったことです。
そして、信徒たちのあつい願いと祈りが神に通じた瞬間でしょう。教会は不思議なところです。常識を超えています。

 自分の町に教会があるのは当たり前のことではありません。
日本の教会は日本人が造ったのではないです。
鶴岡教会はフランスの教会の援助で、山形教会はドイツの教会の援助でできました。
見ず知らずの日本人のために犠牲を払ってつくって下さったということを忘れずに感謝しなければなりません。
あって当たり前ではないです。

 私たち皆より、もっと先に神の思いがある。
皆の心と神の思いが一つになった時に、神の不思議な業が行われます。
ですから、与えられた教会をもっと大事にし、そして後世に伝えていかねばなりません。それが教会の姿ではないでしょうか。

(文責 Y.T.)