★ことしも四旬節をむかえます クリスマスの降誕祭から2ヶ月たち、カトリック教会はまもなく四旬節をむかえます。 四旬節はラテン語でQuadragesima=40番目の意味です。つまり、2011年は3月9日の「灰の水曜日*」にはじまり、「主の晩さん」の夕べのミサの前までの前約40日間の時期を意味します。 この40日という期間はわたしたちの主・イエスが荒れ野で40日間断食したり、”悪魔”の誘惑にあったこと(マタイ4:2、ルカ4:1〜2)に由来しているらしく、それに倣ってこの期間、カトリック信者は断食をします。現代では断食といっても絶食するわけではなく食事の回数・量・内容が規制されます。 四旬節の最後にはイエスが十字架につけられたことを記念する受難の主日をむかえますが、それまでの約40日間、われわれもイエスが試練にあった40日間の苦悩を想い自分自身も摂生・回心をし、また、復活の主日に洗礼式を迎える方はその最後の準備をせよ、ということなのでしょう。 カトリック教会の典礼暦ではイエスの生涯が1年のミサのなかで再現され、降誕から四旬節を経て受難、そして復活に至りますが、カトリック教会ではイエスの「復活」を重要視している点で、四旬節という受難への通過点は復活の前提としても大変重要な意味があるとおもいます 四旬節はカトリック信者は一年の中で最も敬虔でなければいけない時期です。 教皇ベネディクト16世は今年の四旬節メッセージの中で「あなたがたは洗礼によって、キリストとともに葬られ、また、キリストとともに復活させられたのです」(コロサイ2:12)という言葉をとりあげられ、四旬節の頂点となる聖なる過越の三日間、とくに復活徹夜祭に洗礼を受けることの特別な意義を述べるとともに、「復活祭への回心の歩みは、あがない主との人格的な出会い、断食、施し、祈りをとおして、わたしたちが自らの洗礼を再発見するよう導いています。この四旬節にあたり、洗礼のときに神がわたしたちにお与えになった恵みを新たに受けようではありませんか。そうすれば、わたしたちのすべての行いが、その恵みに照らされ、導かれるでしょう。」 昨今の社会情勢・経済情勢に加え今冬の大雪、海外では大地震などの甚大な天災など、神に祈って身を委ねざるをえない方々も多かったであろうし、逆に祈る間もなかった方もおられるかと思います。 人生の中での様々な苦悩のときにイエス様の歩んだ苦悩を思い起こすだけでなく、洗礼を受けたときの新鮮な敬虔さというものを四旬節をむかえるたびに思い出して信仰を深めなければばならないのかもしれません。 |