★主の昇天〜復活節のフィナーレ〜
5月16日(日)の主日ミサはカトリック教会では「主の昇天」の記念日です。
復活節のあいだ、わたしたちは主イエス・キリストが死者の国から復活なさったことを祝ってきました。
聖書によれば、イエスは復活ののち40日間にわたって弟子たちの前に現れて全世界に福音を述べ伝えるように命じ、その後まるですべての仕事をやりとげたかのように天に上げられます。
聖書に綴られたこのイエスと弟子たちとの別れの情景を読むと、それは決して悲しいものではなく、双方が安らかな表情をしていたのではないか、と想像するのは私だけでしょうか?
イエスと別れた弟子たちは、おそらく宣教がうまく行くのか、自分たちの身の上は今後どうなるのかなど様々な不安に苛まれていたに違いありません。
マタイによる福音の最後でイエスが弟子たちを派遣する際に述べた言葉の最後は「わたしは世の終わりまで、いつもあなた方と共にいる」というものです。
なんて勇気づけられる言葉でしょうか。この言葉に当時の弟子たちは勇気づけられて、さまざまな困難に立ち向かいつつ宣教を続けた結果、現在のカトリック教会が存在するのです。
われわれ現代の信徒たちも、弟子たち同様にこの言葉に勇気づけられながら種々の困難が立ちはだかる現代社会を生き抜かねばなりません。
「主の昇天」で、わたしたちの主イエス・キリストは天に昇られます。目の前からイエスがいなくなっても、イエスはいつもわたしたちの心にいてどんなときも支えてくださいます。
カトリック教会の典礼暦は必ずしもわが国の歳時記にあわせてあるわけではありませんが、わが国の社会でも5月下旬というのは進学・就職・あるいは退職など新たな社会環境にもそろそろ慣れて、農家では田おこし・田植えがはじまるころで、4月の慌ただしい時期がおわり、一息つく季節でもあります。
カトリック教会でも「主の昇天」記念日をもって復活節を終わり、クリスマス目前の降誕節がはじまるまでの間、通常の年間ミサが続きます。
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