雪は、雪国で暮らす人々にとっては重くのしかかる冬の苦しさの象徴です。が、そんな中にあっても、その美しさに目を奪われるときがあります。すべてを純白の世界へと包み込む雪。青空が出たときには、その美しさが際立ちます。
 興味が湧いて、聖書の中に「雪」がどれくらい出てくるか調べてみました。結果は、旧約聖書に22回、新約に2回でした。その24回のうち、9回は「雪のように白く」というような形容詞的な使われ方です。その他も、話のたとえとして出てくるものが多く、じっさいに雪が降ったというように使われているのはサムエル上23章20節とその平行箇所の歴代誌上11章22節だけです。新約では、マタイ28章3節に出てくる天使の形容。そして、黙示録1章14節の「人の子」すなわちキリストの象徴的な形容。ちなみにわたしが好きなのは、「教会の祈り」の金曜日の祈りに出てくる詩編51章9節です。

 ヒソプの枝で私の罪を払ってください
 私が清くなるように。
 私を洗ってください
 雪よりも白くなるように

 真っ白な世界の中を歩いたり、車で走ったりしていると、時おり、知らずのうちに涙が出そうになるときがあります。そのたびに、神さまありがとう、ということばが自然にあふれてきます。白い雪には、人を感動させる何かがあります。

                             主任司祭 千原通明

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聖書の中の雪
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