主任司祭「千原通明(ちはらみちあき)」(写真左)
助任司祭「楠宗真(くすのきむねまさ)」(写真右)

 その頃のシスター渡辺は、自分の予期していなかった任地、岡山のノートルダム清心女子大学の学長に抜てきされ、初めての日本人学長で、しかもその若さでしたから、大変な苦労をされたのだと思います。その時期に、この言葉が与えられました。

 この言葉には、自分を、その場所に生きるように導いたのは神さまなのだから、心配することはない、神さまは、あなたにしか咲かすことのできない花を咲かす力も与えてくださるのだ、との意味合いを含んでいます。どの花も、太陽の光や水、よい土があって初めて成長していきます。わたしたちにも、神様はさまざまな恵みと必要な助けとをお与えになるのです。シスター渡辺は、どれだけこの言葉になぐさめられ、励まされたでしょうか。

 シスター渡辺の、もう一つの素晴しいところは、これを直訳することなく、あえて主語の「神」を隠すことによって一般にも広く通じる翻訳をあてたことです。わたしたちはそこに、隠れたところで働いてくださる神さまの力を、あらためて感じ、信じ続けることができるように祈りたいと思います。

 今年米寿を迎えられるシスター渡辺和子の著書で有名になった言葉に「置かれた場所で咲きなさい」があります。これは元々は英語で、ある外国人宣教師が、当時悩んでいた36歳のシスターに与えた助言でした。

“Where God has planted you, you must blossom.”

直訳すれば「あなたは神が植えたところで咲かなければならない」となります。

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「置かれた場所で咲きなさい」の心
(H28.6)主任司祭 千原通明
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