主任司祭「千原通明(ちはらみちあき)」(写真左)
助任司祭「楠宗真(くすのきむねまさ)」(写真右)

そして、「本日、わたしは深い気持ちに駆られ、『平和の巡礼者』として、この地にまいり、非常な感動を覚えています。わたしがこの広島平和記念公園への訪問を希望したのは、過去をふり返ることは将来に対する責任を担うことだ、という強い確信を持っているからです」と言われました。
「過去を振り返ることは、将来に対する責任を負うこと」と何度もくり返したそのアピールの最後は、次のような祈りで締めくくられています。

最後に、わたしは自然と人間、真理と美の創り主である神に祈ります。
神よ、わたしの声を聞いてください。
それは、個人の間、または国家の間でなされた、すべての戦争と暴力の犠牲者たちの声だからです。
神よ、わたしの声を聞いてください。
それは人々が武器と戦争に信頼をおくとき、いの一番に犠牲者として苦しみ、また苦しむであろうすべての子供たちの声だからです。
神よ、わたしの声を聞いてください。
わたしは、主がすべての人間の心の中に、平和の知恵と正義の力と兄弟愛の喜びを注いでくださるよう、祈ります。
神よ、わたしの声を聞いてください。
わたしはすべての国、またすべての時代において戦争を望まず、常に喜んで平和の道を歩む無数の人々にかわって、話しているからです。
神よ、わたしの声を聞いてください。
わたしたちがいつも憎しみには愛、不正には正義への全き献身、貧困には自分を分かち合い、戦争には平和をもってこたえることができるよう、英知と勇気をお与えください。
おお、神よ、わたしの声を聞いてください。そして、この世にあなたの終わりなき平和をお与えください。

 今年は戦後70年。終戦記念日の8月15日は、聖母被昇天祭です。今年も静かに、でも、いつもの年よりももっと力強く、平和のために祈りたいと思います。

「平和の祈り」(H27.8)

司祭 千 原 通 明

 教皇だった聖ヨハネ・パウロ2世が日本に訪れたのは1981年、今から34年前のことです。
彼は2月25日に広島の平和記念公園を訪れ、慰霊碑の前で「平和アピール」を全世界に発信し、「戦争は人間のしわざです。戦争は人間の生命の破壊です。戦争は死です。この広島の町、この平和記念堂ほど強烈に、この真理を世界に訴えている場所はほかにありません」と呼びかけました。

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